「♪ 悲しみを分けあって 涙の数減らすより
喜びを分かち合えないほうがつらいね・・・・ ♪」 by 嵐 「beautiful days」
いまだに夢から覚めていないmackyです。こんばんわ。
利用者の田口さん(仮名です)、語彙は豊富なんですが、それは人とのコミュニケーションというよりは、自分の好きな物だったり気になる語呂だったりなんです。それを言葉に出して繰り返したり、自分では文字や絵を描けないので、自分が放った言葉を誰かに書いてもらったりするのが好きなんですね。
気付くと、これまで意味のある会話は殆どやったことがありませんでした。
私は結構絵が上手い方なので、彼にいつも絵をかいてくれとせがまれています。語彙が豊富といっても、簡単な物の名称だったり、会社の社名だったり、数字だったりでしかないので、心から通じ合えたという感覚はないのですが、それでも、彼の発する言葉が何を意味しているのかいつも想像しながら、なるべく彼の頭に思い浮かんだ映像に近づけようとはしているのですが、なかなか。
本人にとって、私は、自分が言った言葉を書きとる単なるロボットみたいな位置づけにしかすぎないんじゃないかなぁと思うことも多いです。都合よく使えるマシンみないな・・・。
そんな彼と、今日初めて通じたというか、自分の中ではものすごい進展で、喜び大の出来事があったんです。
最近いつも彼が落書き用に使っているオレンジのペンがなくなりました。彼はボールペンなどを噛んでしまい普通のプラスチックのボールペンではすぐに噛み砕かれてしまうので、最近私のアルミでできたペンを貸していたものなんですが。
それがついさっきまで使っていたのに、見当たらなくなってしまったようなのです。すぐに私は彼に違うボールペンを貸してあげて、なくなったペンを探し始めたのですが、なかなか見つからず・・・。
「もう、田口さんがどっかに置き忘れちゃったんじゃないの~?」とか言って探し回っていると、しばらくは新しいペンで落書きをしていた田口さんが、「ペン!」「ペン!」と言って、一緒に探してくれているのに気付きました。
「なんか、悪いと思ってくれてるのかなぁ・・・」と田口さんの気持ちが伝わってきました。
自分の一番大好きな落書きをやめて、動きは止まりながらですが(笑)、なくなったペンを探してくれてるんです。
私も他の仕事をしながらですから、30分後くらいでしょうか、どかした教材の下から探していたオレンジのペンが出てきたんです。
「あったーーー!」
と言って田口さんの方を見ると、彼の顔がにんまりと笑顔に変わりました。
「なんだここにあったじゃん!やっぱ田口さんが置き忘れてたんだよ~」と彼を茶化すと、田口さんは本当にうれしそうに笑顔で笑っていました。しばらく二人でペンが見つかってよかったことを喜びました。
たった、これだけの事です。
たったこれだけの事なんだけど、そのたったこれだけの事をこれまで彼との間に感じたことがなかった、ということにも同時に気づかされたんですよね。
そのたったこれだけの事で、私はとてもとても幸せになることができました。
私はこれまで、田口さんのことをわかっていたようでわかってなかったのかもしれません。喜びを分かち合えることがこれほど幸せなことなんだなぁって、しみじみと考思い起こさせてくれました。
そして、私は、田口さんが私を都合のいいロボットだと思っているかもしれないなんて思ったことを謝りたいと思いました。
彼が本当のところどう思っているのかはわからないんですけど、私が彼にとても大きな喜びを貰ったことだけは確かです。
この仕事を続けている理由は、そういうところにあるのかもしれません。
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